マンションの管理組合で理事に選ばれたけれども、
     何をしたらいいのでしょうか?


 質問1 管理組合・理事会って一体何をするところ?

  簡単に言えば次のようなことでしょう。
@ 管理組合・理事会の運営
A 管理費等の滞納
B 管理規約の改正
C 長期修繕計画
D 収支決算と予算
E 会計監査や会計上の問題
F 管理会社との委託契約
G 委託管理費の節約
H ペット・騒音等のトラブル
I 居住者間でトラブルなど

  管理組合の役員・理事になったときの心得―6ケ条―
@ 自分のマンションの履歴と現状を知ること
A マンション敷地内の付属施設等の視察・見学
B 建物関連のハードだけでなく居住者関連のソフト面も把握
C 理事会活動などの年間計画しっかりと把握
D 理事会等の運営要領を明確に
E その他として名簿の整理並びに書類の保管の確立
以上のようなことが最小限の心得として役割を遂行していただきたい

質問2 管理組合の総会で決める事項?

  総会の決議事項は普通決議事項と特別決議事項があります
@ 普通決議事項は、出席者、委任状や議決権行使書を含めた議決権総数の
2分の1を超える賛成があれば可決されます。
主な普通決議事項
   a. 収支決算報告と事業報告の承認
   b.予算と事業計画の承認
   c. 理事・監事の選任または解任
   d. 管理業務の委託契約等の更新や変更
   e. 管理費等の金額の決定や変更
   f. 使用細則の制定および変更や廃止

なお、普通決議事項の決議数等については、マンション管理規約によって別段の定めをすることも可能です。

A 特別決議事項とは、マンション管理規約の変更や大規模修繕、共用部分の機能の変更、マンションの建て替え等、区分所有者の権利関係に重大な影響があるという理由で、可決されるには区分所有者および議決権の4分の3以上または5分の4以上の賛成が必要であると、区分所有法により定められている事項のことです。
さらに管理規約改正や大規模修繕により、特定の区分所有者に特別の影響がある場合は、その区分所有者の承認が必要だとされています。
特別決議事項は、区分所有法によって規定された強行規定であるため、普通決議事項と違って管理規約で別段の定めをすることはできません。

特別決議事項は主に次の通りです。
a. マンション管理規約の変更や廃止
b. 管理組合法人の設立および解散
c. 共用部分の形や機能の変更
d. 共用部分の敷地や付属施設の変更
e. 義務違反者に対する専有部分の使用禁止および住戸の競売請求
f. 義務違反の占有者に対する契約解除と引き渡しの請求
g. 建物の価格の2分の1を超える大規模な損失の復旧
h. 建て替え決議(5分の4以上の賛成が必要※)
※建て替え決議以外は組合員数および議決権総数の4分の3以上の賛成で可決

なお、総会には管理業務に関する突っ込んだ質問等が往々にしてあることも予想されるので、少なくともマンション管理会社の担当者には出席してもらう方が良いでしょう。
 また、大規模修繕工事等についての議題がある場合は、建物の診断を依頼したコンサルタント業者や施工業者などにも出席を要請しましょう。

総会が終了したら、議長(理事長)は議事録を作成し(管理会社に作成してもらう場合が多い)、議長および出席した組合員2名が署名・押印します。
なお、議事録を作成しなかったり虚偽の記載等をすれば、区分所有法により議長(理事長)に20万円以下の過料が科せられますので気をつけましょう。

質問3 管理規約って何なのでしょう?

      マンション管理規約は、区分所有法によって規定されている、そのマンションの
   基本的ルールを定めたマンションの憲法のようなものです。
マンション管理規約には、通常「建物の用途・区分」「管理組合の業務内容」「管理組合の運営方法」「管理費・修繕積立金の使途」などが多く盛り込まれています。
マンション管理規約は、管理組合の総会によって設定、変更および廃止することができます(組合員数および議決権総数の4分の3以上の賛成が必要)。


管理規約で定めることができる事項には、区分所有法通りにしか定めることができない強行規定と、区分所有法上規約で別段の定めができるとされている事項と、特に制限の無い事項の3種類があります。
@ 強行規定
・管理組合員の構成員の要件
・管理規約の設定、変更、廃止の議決要件
・建替えの議決要件
・総会議事録の作成 など
A 規約で別段の定めができるとされている事項
・規約共用部分
・共用部分の持分の割合
・総会の招集通知の期間
・総会の議決権の持分割合
・普通議決権の要件 など
B 特に制限の無い事項
・理事会の設置
・理事の人数や任期
・管理費や修繕積立金の算定方法
・駐車場や集会室等の使用方法 など

新築マンションの場合は、分譲時にあらかじめデベロッパーが設定したマンション管理規約(原始規約案)を購入者に渡して、書面で規約の承認を得るのが一般的です。
つまり、初めは自分たちで定めたものではなく、デベロッパーやデベロッパーが指定したマンション管理会社によって策定された管理規約だから、管理会社(ほとんどがデベロッパーの関連会社)にとって好都合な内容や、不公正な内容が盛り込まれていることもあるので注意が必要です。
新規のマンションを購入された場合は、できるだけ早く管理組合を組織し、管理規約に問題がないかどうかじっくりと精査し、国土交通省が作成しているマンション標準管理規約などを参考にしながら、見直してみることが大切です。

質問4 使用細則って一体何なのでしょうか?

   マンション管理規約が、マンションの基本的な管理のルールを定めたものであるのに対し、使用細則はマンションの日常生活における注意事項や、共用部分・専有部分の使いかたについての、より詳しいルールを定めたものです。
使用細則を設定、変更または廃止するには、管理規約と同様に管理組合総会によって可決されなければなりませんが、原則的に決議数の過半数の賛成があれば可能です(マンション管理規約によって別段の定めが可能)。


  使用細則には以下のようなものがあります。
@ 管理組合選挙細則
A 会計処理細則
B 管理費等の滞納に係わる督促および延滞金等の徴収に関する細則
C ペット飼育に関する細則
D 駐車場・駐輪場使用細則
E 集会室使用細則
F 諸届出に関する細則
G 修繕専門委員会細則

マンション管理規約と使用細則は一体として機能するものです。
使用細則が質・量ともに充実しているマンションは、基本的に管理が行き届いた良いマンションと言えるでしょう。

質問5 管理会社を変えたいのですが?

   一般的に管理会社は、分譲業者が分譲時に自分の会社の系列会社に決めている場合がほとんどで、その後も同じ会社に継続委託されているケースが多いようです。現管理会社への不満が解消されない場合や、よりよい管理会社を探したいときには、管理会社の変更ということになります。誰と契約するかは自由ですので、どのような会社を選ぶかは管理組合の判断次第です。
 管理会社変更の手順概略
@現管理会社との関係を見直す
A現管理会社との関係を整理する
B見積依頼する会社を選択する
C見積依頼する
Dプレゼンテーションしてもらう
E1社を選ぶ
F新会社と契約する
新会社に重要事項説明をしてもらったあと、新会社と契約し、スムーズに引継ぎを行いましょう。

      管理会社変更時の注意点
@ 管理会社変更の作業で最も重要なことは、管理会社に何をしてもらいたいのかをかっきりさせるこ  と、公明正大に公開して行うということです。
A 管理費等の未納に係る催告などの法律的な助言、長期修繕計画の見直しなどに係る技術的な助  言、近隣騒音に係る日常管理上の助言、予算案作成などに係る財務上の助言などのノウハウも選  定上の重要なポイントになります。
B 標準管理委託契約書の内容を踏まえつつ、日常業務の履行体制及び人員体制、夜間休日の対応  並びに緊急時の対応などについても確認することが重要です。
C もし、現管理会社が設計図書類を保管しているのであれば、すべて移管しておきましょう。

質問6 管理委託契約を見直したいのですが?

  最近の理事会で管理会社への不満が話題になり、管理会社との管理委託契約の見直し 
  をすることになりました。具体的にどのような方法、手順で行うのがよいでしょうか。

   
次のようなことに留意しましょう。

(1)管理会社への不満、トラブルの要因としては一般に次のようなことが考えられます。
@ 契約内容の不備、解釈の違い、理解不足によるもの
A 管理組合や区分所有者の過大な期待、要求から生じるもの(契約外の業務、サービスの要求な     ど)
B 管理会社が契約業務をしっかり履行していないことによるもの

(2)管理委託契約の内容を見直す場合、以下のような点検の切口が考えられます。
@ 「適正化法」及び標準管理委託契約書に適合しているか
A 契約書どおり業務が履行されているか(質・量の両面から)
B 区分所有者が考えている管理の内容・水準と現実にギャップがないか
C 不要な業務(又は過剰な業務)はないか、追加すべき業務はないか
D 再委託業務に問題はないか
E 管理員やフロントの仕事ぶりはどうか
F 委託料等の費用は妥当か

(3)見直しの方法、手順等
@ まず、当該マンションの目指すべき管理の水準(管理の基本方針)を設定します。
立地、マンションのグレード、分譲価格、区分所有者の意向等からどの程度の水準の管理を志     向するか、現在の状況と比較しながら検討しましょう。
A ついで、基本方針に基づき管理会社に求める望ましい業務の内容と水準を設定します。
B 不満、トラブルを調査します。
区分所有者(居住者)にアンケート調査して、管理会社に対する不満や仕事振りを具体的に把握し、問題点を前記要因別に整理します。
C 管理委託契約の内容を検討し、問題点を把握します。
(a) 標準管理委託契約書と比較し、違いを把握します。
(b) 委託した業務の内容(委託契約書の別紙及び別表1〜4)について、アンケート結果等をもと   に問題点を含め管理会社の履行状況を調べ、各業務について、回数・頻度、所要人員数、範      囲、質等を確認し、業務に過不足がないか点検します。検討の前提として、前記の管理に関す     る基本方針を踏まえて管理会社にどのような業務を、どの程度の管理水準で求めるのかにつ     いて確認することが肝要です。
D 以上の結果をもとに問題点を整理し、管理会社(フロント)に示して、是正すべき点は改善を求   め、また契約内容の変更を要する事項があれば追加費用の負担等を含め交渉します。
E 区分所有者には、検討結果及び管理会社との折衝経過と対策等を広報等で随時通知すること  が重要です。その際、区分所有者が改めるべき事項があればこれを明確にして注意を喚起すべ    きでしょう。管理会社は営利企業ですから、契約外の事項は採算上の問題があります。区分所    有者にはこの辺の事情について理解するよう適切な広報が必要です。
また、契約内容に重要な変更がある場合は、総会決議事項となる場合がありますので注意して    下さい。
F  検討委員会の設置
状況によっては、理事会の下に専門の検討委員会を組織し、一般の区分所有者の参加を求め     て進めるのも有力な方法です。この委員会による方法は、特に全面見直しの場合に理事会の負    荷軽減、区分所有者の管理意識を高める等の効果が期待できます。

質問7 高齢化に伴い役員のなり手がないのですが?

  改善策としての方策にひとつ加えてみてはどうですか
@ 役員資格の拡大
規約上役員が「区分所有者」に限定されている場合が多いと思われます。しかし、マンションの     快適な住環境を考えてもらえるならば、「区分所有者」以外でも例えば「区分所有者の配偶者又    は一親等の親族」まで拡げることも検討の余地があると考えます。
A 役員を外部から雇い入れる しかし、@のような方法ではやはり「区分所有者」としては不安であるということもあるでしょう。     そこで、マンション管理士などの専門家に役員を依頼する事例が最近は出てきました。もちろん    その場合には有償になりますので、それだけの費用負担できる管理組合ということにはなります
B 役員報酬
どうしても役員は「区分所有者」にというのであれば、役員になった方への報酬支払いを認める     のも一つの考え方です。ただ、この場合の金額と役員のなり手不足解消の効果から見れば、必    ずしも多くの管理組合の決め手にはならないでしょう。
C 役員辞退者に対するペナルティ
そこで、間接強制的に役員辞退者へのペナルティ規定も考えられます。しかし、一般にそのペナ    ルティ金額は多額にはできないと考えられ、さらにペナルティを支払うことによって役員を回避で    きるというムードが生じることもあり得るので、有効な改善策とは言い難いと思います。
D その他;コミュニティの再生など
以上見てきたとおり役員のなり手不足の決め手は簡単には見つかりません。高齢化を理由に役    員を辞退できる時代ではなくなってきていると思います。元気高齢者こそ、役員になることが生き   がいだというコミュニティにしたいものです。
そもそも役員のなり手不足に陥る理由としては、理事の職務遂行に対して人的・時間的負担が大   きいのも一因だと思います。この負担を軽減するならば、今いる人材で役員を賄えるのではない    でしょうか。
たとえば、理事の負担軽減として理事の職務遂行のマニュアルを作りそれに従って粛々と年度業務をこなす。毎年交代するような管理組合では、このマニュアルは特に有効だと思います。また、特別な案件については適宜スポットで専門家のアドバイスを理事会決議で実現できるようにしておくといったことです。
また、可能であれば建物・設備のバリューアップなども考えて、若い人材がマンションの新たな「区分所有者」となるような長期的な展望に基づいて組合運営を検討してみてはいかがでしょうか。

質問8 自主管理に移行したいのですが注意点は?

 分譲マンションの管理には、管理会社に管理業務の実務全般を委託する「全部委託管理」、特定の業務のみを管理会社に委託する「一部委託管理」、管理会社を一切利用しない自主管理があります。この自主管理を前提にしてお答えします。

(1)自主管理を継続的に行うための要件
@ 実務処理能力のある役員を継続的に確保できること
マンションの管理業務には、出納・経理業務、理事会・総会関連業務、建物や設備等の維持管    理業務などがあります。これらのうちの一部は外部の専門業者に依頼するにしても、管理組合     には相当の業務量が発生します。これ等の実務を担当する意欲、能力、時間的に余裕ある役員    を継続的に確保することが重要なポイントです。
A 区分所有者の管理・永住意識が高い
自主管理は、いわば役員の献身的な協力により成り立っていますので、区分所有者の管理意     識が高く、滞納やトラブルなど役員にできる限り負担のかからないことが重要です。
B 管理しやすいマンション
中規模(50戸程度)、住宅専用(店舗・事務所併用でなく)で、社宅化,賃貸化
が少ないなど管理が比較的容易であることも重要です。
C 有能な事務局長を確保出来ること

(2)自主管理へ移行するときの留意事項
@ 管理会社とできるだけ円満に進める
業務や関係書類等の引継ぎをスムーズに行うためにも管理会社とはできるだけ円満な関係を     維持しながら移行するよう留意して下さい。
A 業務の引継ぎは十分な準備と引き継ぎ期間を設ける
引き継ぎ漏れのないよう予め引き継ぎ事項のリストを用意するなど引き継ぎ計画を立て、複数     の役員が立ち会って慎重に進め下さい。特に、規約類、総会及び理事会等議事録、区分所有者    及び入居者リスト、管理費等入金管理台帳、預金通帳、経理帳簿類、維持修繕記録、竣工図書    類及び関連するコンピューターデータなど基本的な帳票類は確実に引き継ぎを受けるよう十分     留意してください。
B従来、管理会社への依存の程度によっては、段階的に移行する方法を検討します。
C  管理人を雇用する場合は、現在の管理人を引き取るのか、別に採用するのか早めに方針を決め管理会社と調整して下さい。
          
以上、財団法人マンション管理センター、国土交通省および多くのマンション
管理に関する公開されているHPより抜粋掲載をさせていただきました。

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